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目に関するご説明

両国駅徒歩4分の場所に位置する『両国眼科クリニック』の医師が、アレルギーについて詳しくご説明します。

アレルギーについて

スギ花粉やダニ・ハウスダストなどの外界の抗原(アレルゲン)に対して、過剰な免疫反応が起こり、かゆみや腫れなど固体に悪影響を与える状態といわれます。

抗原に対して、Aのように通常の免疫反応が生じているうちはよいのですが、Bのように過剰に反応してしまうと周囲にも障害を与えてしまいます。

いろいろなアレルギー ~軽症のアレルギー性結膜炎~

(1)花粉症

スギの花粉に対するアレルギー(スギ花粉症)が有名ですが、この他にもいろいろな花粉に対してアレルギーが 送ります。花粉はその飛散の時期が一定の季節に限定していることが多いので、季節性アレルギー性結膜炎とも いわれます。代表的な花粉は、スギ(2-4月)、ヒノキ(3-5月)、カモガヤ(4-9月)、ブタクサ (8-10月)などです。毎年、同じ時期にだけかゆくなる方はこのような花粉にアレルギーがある可能性が あります。
かゆくなる前に眼科に行って、点眼の治療を始めるととともよい治療を始めるとてもよい治療効果が得られます。

花粉症やダニ、ハウスダストアレルギーなどの軽傷のアレルギー性結膜炎では、主な症状はかゆみや充血、結膜の浮腫(むくみ)、流涙などです。

(2)ダニ・ハウスダストアレルギー

高気密・高断熱の家が増えてきたことにより、ダニやハウスダストが増加してます。一年中、抗原が身の回りに あるので、通年性アレルギー性結膜炎と呼ばれます。時期的な症状の増悪や改善はあります。
湿度の高くなる梅雨から夏や、暖房をして換気が少なくなる冬に増悪することが多いようです。換気、掃除や ダニ退治をすることが治療の第一歩です。

いろいろなアレルギー ~重症のアレルギー性結膜炎~

(3)春季カタル

古典的には春に急激に悪化するアレルギー性の結膜炎で、幼児から少年期に多いといわれていますが、アトピー性疾患の患者さんの増加により、病態はやや複雑になってきています。(下記参照)。 悪化すると瞼の嚢の結膜が石垣状に増殖し、角膜潰瘍が発生してしまうため、非常に痛く、視力も低下します。 特に10歳以下の患者さんに発症すると、弱視を引き起こしてしまうことがありますので、専門家の適切な治療が必要です。

春期カタルやアトピー性角結膜炎などの重傷のアレルギー性結膜炎では、左の写真のように、まぶたの裏の結膜が増殖し、右の写真のように、角膜潰瘍が発生したりすることがあります。

(4)アトピー性角結膜炎

アトピー性皮膚炎に併発する重症型アレルギー性結膜炎をさします。通常のアレルギー性結膜炎とは異なり、瞼の裏の結膜の増殖や、角膜のびらんや潰瘍を伴うことが多く、専門家の適切な治療が必要です。

コンタクトレンズとアレルギー

(1)コンタクトレンズとアレルギー

コンタクトレンズをお使いの方へ:レンズと目の定期検査は受けていますか?コンタクトレンズを使うことにより、アレルギー性結膜炎の症状が出ることがあります。症状が軽い場合はレンズの種類を変更したり、点眼治療することにより軽快しますが、重症の場合コンタクトレンズの使用をしばらく中止しなくてはならないこともあります。コンタクトレンズは医療用具です。きちんと医師の診察を受けた上でご使用ください。 目のかゆみがないから、アレルギーはないはずと言う患者さんが時々いらっしゃいますが、コンタクトレンズによるアレルギーの場合、レンズが汚れやすい、ずれやすい、ごろごろする、メヤニが出る、などの症状が主体となります。

巨大乳頭性結膜炎:コンタクトレンズによる重症なアレルギー

治療法あれこれ

治療には
 (A)抗原をさける
 (B)人工涙液で洗い流す
 (C)抗アレルギー剤点眼
 (D)抗ヒスタミン剤点眼
 (E)ステロイド点眼
などがあります。専門家の指導のもとで、適切な治療を受けましょう。

1.抗原を避ける(A)

もっとも大切な治療の第一歩です。原因を放置していては、いくら薬に頼っていても、症状は繰り返します。 まず、なにが原因のアレルギーなのかをよく調べます。代表的な抗原は血液検査でわかります。 次にその原因(抗原)が避けられるものでしたら避けましょう。ハウスダストやダニ、カビなどは、徹底的な 掃除やこまめな換気、そして妨ダニ加工の寝具などでかなり減らすことができます。 また、スギなどの花粉に反応している場合は、花粉の多く飛散している日には外出を避ける、ゴーグルやマスク で防ぐ、外出から帰ったら、玄関の外で衣服をよく払って抗原を家の中に持ち込まないなどの注意が必要です。

2.人工涙液点眼(B)

防腐剤の入っていない人工涙液でよく洗うことも非常に重要です。ハウスダストやダニ、カビ、花粉は空気中に ただよっていて、眼(結膜嚢)の中に飛び込んできます。その後、涙で洗い流されるのですが、涙の量が少な かったり(ドライアイ)、抗原の量が多かったりするとアレルギー反応が始まります。抗原が反応を引き起こす 前に洗ってしまうのは、非常に有効な予防策なのです。ただし、防腐剤の入っていない点眼薬にしないと副作用 がでてしまうのでご注意を。また、水道水や市販の目洗い液も、かえって刺激になってしまうことがあるので注意 が必要です。

3.抗アレルギー剤点眼薬(C)

アレルギー反応は、抗原がIgE抗体を介してマスト細胞という細胞を脱顆粒させてることから始まります。 抗アレルギー剤は、この「アレルギー反応の最初の引き金」となっているマスト細胞を脱顆粒させないよう にします。ですから、アレルギー反応が始まる前に点眼した方が効果がよいことになります。毎年同じ時期に アレルギーが起こる方や、特定の場所に行くとかゆくなる方などは、その前に点眼したほうがよいでしょう。 始まってしまったかゆみを抑える作用はあまりありません。眼科でよく処方される抗アレルギー剤点眼には、 インタール、アレギザール、ザジテン、リザベンなどがあります。

4.抗ヒスタミン剤点眼薬(D)

アレルギー反応が始まって、マスト細胞が脱顆粒すると、ヒスタミンという物質が放出されて かゆみや充血を引き起こします。抗ヒスタミン剤はこれを抑えます。比較的かゆみや充血を抑 える力が強いようですが、現在のところ、点眼薬では、リボスチンがあります。

5.ステロイド剤点眼薬(E)

アレルギー反応が何回も繰り返し起きてくると、炎症が慢性的になって、主に好酸球という細胞が、 角膜や結膜などの眼表面の組織を傷害するようになります。角膜が障害を受けると、視力低下や激 しい痛みなどを伴うことがあります。「アレルギー反応の慢性期の組織障害」を引き起こす好酸球 を抑制するには、現在のところステロイド剤が最も効果的な薬です。ステロイド剤は、その副作用 ばかりが注目されていますが、炎症の強いときにだけ、専門家によるチェックを受けながら使用す れば非常に効果的な薬剤です。使用にあたっては、必ず眼科医の指導のもとで行いましょう。